生きていくために。震災から学ぶべきもの ―神戸市【人と防災未来センター】―

ハート防災Jです。人と防災未来センターに来ました。イザ!美かえる大キャラバン!の会場にもなっています。取材同行のYさんは2回目ですが、私はもちろん初めて。まずは建物の景観に驚きました。立方体が時間とともに成長拡大していく塩の結晶体をイメージして造られたそうです。

ん?何やら垂れ幕?と思いきや、南海トラフの巨大地震で想定される津波の最大波高(高知県黒潮町)を示しています。その高さ34.4m。3mを超えたらビッグウェーブで波乗りも躊躇するところを、その10倍って。こんなの来たらどうしようもないでしょ!

人と防災未来センターは、国の支援を受けて2002年に兵庫県が設置、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、未来に生かすことで、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することをミッションとしています。ホームページはこちら

入場料は大人1人600円。JAF会員割引で450円に。ラッキー^^。時間も遅かったので待ち時間なしで入れました。ロビーに貼ってあるポスターを見ていると・・・

手前上の「つなみがくるぞ!高台へいそごう!」にビックリ。なんと小学一年生の作品。絵のクオリティ凄いです。そしてこの単純なコピーが後になってジワリと来るのですが、それはまた後半で。

エレベーターに乗り、まずは4階の震災追体験フロアへ。1.17シアター「5:46の衝撃」では大型映像と音で、地震破壊のすさまじさを体感できます。震災直後のまち並みをリアルに再現したジオラマ模型を通り、大震災ホールへ。復興に至るまでのまちと人をドラマで紹介した「このまちと生きる」を上映しています。4Fフロアは写真撮影NGなので写真をお見せできず残念ですが、映像ダイジェストはこちらから見れます。

23年前に本当に現実に起こったことなのか?と思う衝撃映像です。具合の悪くなる人もいるそうなので、ご注意ください。自然災害の恐ろしさと同時に、「このまちと生きる」からは、復興に向かう人間の強さを感じる事ができます。

3階は震災の記憶フロア。震災関係資料を提供者の体験談と一緒に展示しています。

大型パネルで見る崩れた高架道路。どんな頑丈な人工物も自然の前では模型のごとく。

写真右下にあるのは、折れたゴルフクラブ。どうすれば、こんなにポッキリ。

「女性一人この家屋の下にいます」助けたいけどどうすることもできない、でも生きて欲しい。生きていくために、誰もが必死。未被災者で戦争体験もない私には想像することすらできません。でも現実に起こったことなんですよね。

全国から送られた支援物資の紹介やボランティアの様子も紹介しています。被災状況をいっぱい見た後なので、着ぐるみと遊ぶ子ども達の笑顔に癒されました。そして、からわりくんって何だろうって。ネットで調べたけど出てきませんでした。(笑)

姪御さんの子から送られた手紙に励まされた人も。やっぱり大事なのは人と人の繋がりなんですよね。

2階は防災・減災体験フロア。災害や防災の方法を閲覧できる災害情報ステーションの他、防災学習のボードゲームや減災グッズなど、色々な角度から紹介しています。

ビスコ、懐かしいですね~。サクマ式ドロップ、「火垂るの墓」の節子を思い出すと、今でも涙が出てきます。(泣)

家具の固定、転倒防止策。阪神淡路大震災の地震による直接死5500人の内4400人が家屋の倒壊による圧死、窒息死で、その9割にあたる3960人が地震後15分内の即死。事前の備えが生死を分けるということです。

耐震補強、耐震構造、地震に強い建物に関する展示です。住宅関連で働く人必見のコーナー。

西館から東館へ移動し多目的ルームに向かうと、南海トラフ巨大地震に関する展示がありました。静岡県民には特に興味深い内容です。

太平洋沿岸に起こる津波の想定波高を表わしたグラフ。静岡にも最大波高10m~20mの津波が来ることが予想されます。

興味深かったのは、防災・減災対策の効果。最大32万人と想定される死者数が、防災・減災対策によってどこまで減少できるかという資料。一番の恐怖は津波ですが、全員が発災後すぐに避難開始して既存の津波避難ビルを活用すれば、23万人の津波想定被害死者の8割、約18万4000人の命が助かるというもの。

ここで思い出したのが、入り口にあった小学1年生のポスター「つなみがくるぞ!高台へいそごう!」。防波堤も大事かもしれないが、自分の命は自分で守る、それしかない。そして、声を掛けあう人と人の繋がりの大切さ。当たり前のことだけど、当たり前だからこそ大事なことですよね。

生きていくために・・・。人と防災未来センターから学んだことです。

自然災害に私たちはどう備えるのか?各地域での取り組みが紹介されていました。これも、生きていくために・・・。

静岡県が開発した避難所運営ゲームHUGも。HUGの内容は静岡県のホームページにて。

ぼうさい甲子園。こんなのもあるんですね。ホームページを見たら、昨年の大会で静岡大学教育学部の藤井基貴先生(※)のゼミがぼうさい大賞を受賞していました。でも、参加しているのは他県の方が多かったです。きっと知らない人がほとんどですよね。

(※ライターS補足~:藤井先生は学生とともに全国的に活躍する防災教育の第一人者。2月25日に開催されるこのプロジェクトのキックオフ・イベントにも参加してくださる予定です!)

日常からまだまだ遠いところにある防災。人は自然に弱い、でも生きていくための知恵や絆がある。まずは、できることをやること。人と防災未来センターと小学1年生のポスターから教わりました。防災素人の私も家具の転倒防止策やってます。あとは逃げ足を磨きます。(笑)

神戸に行く機会があったら是非寄ってみてください。

人と防災未来センター

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