展覧会は本日最終日!

11月17日から19日間にわたって開催してきました
しずおかHEART防災 特別展 「リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史」静岡展&しずおか防災アート展 も、本日が最終日となりました。

お越しいただいた皆さんの反応は好評で、
「すばらしいね!」
「とにかく静岡のみんなに見てもらうべき展示だね」
「やはり忘れかけていたけれど、改めて考える機会になった。」
「早速帰って家族と話し合います。」
「震災時に生まれていなかった子どもに伝えることができた。」
「子どもと一緒に考える機会になった。」
「自分の住む場所のこと、知らなければならないと思った。」
などのご意見をいただいております。

県内も西~東の各地から、また神戸、東京、愛知などからもお客様が来てくださり、お友達を伴って何度もご来場くださる近隣のお客様もいらっしゃって、ありがたいです。

入場無料、本日17時まで、静岡市清水文化会館マリナート 1Fギャラリー(JR清水駅自由通路直結)で開催しています。

最後の最後です!
お越しをお待ちしております。

 

 

残り会期わずか・・・!

展覧会は12月8日(土)まで!あとわずかとなりました!

多くのお客さまにお越しいただいておりますが、一人でも多くの方にご覧いただきたい展示です。ぜひお時間をつくってご来場ください!

最終日、12月8日(土)13時~15時には、
アーティスト本原令子さんのワークショップ「BOSAI・トリアージ」も行われます。
まだ少し空き席がございますので、ぜひともご参加ください。
※事前にご準備いただくため、お手数ですが事前申込みをお願いします!

「BOSAI・トリアージ」ワークショップ
津波まであと30分と言われたら、なに、もってく?
日時: 12月8日(土)13:00~15:00(予定)
講師: 本原令子(アーティスト/本展出展作家)
定員:20名 ※事前申込。受付後に参加方法をご案内します。

WEBサイトのフォームから
①氏名 ②人数 ③郵便番号 ④住所 ⑤昼間ご連絡のつく電話番号 ⑥メールアドレス ⑦年令 ⑧性別 を記載して、お送りください。

 

また、クラウド・ファンディングも受付中です。
こちらは12月6日(木)までです!
どうぞよろしくお願いいたします!!

 

好評開催中です!

しずおかHEART防災 特別展、無事開幕しました!

初日の、リアス・アーク美術館の山内宏泰さんによるトークは
わたしたち静岡県民にも、多くの新たな気づきや視点を与えてくれるものでした。

「防災」ではなく「減災」・・「完全に防ぐ」ことなどできないこと、
自分の住む土地のことや、そこに息づいてきた文化(というのは文化財などモノではなく、人々の日々の暮らしの積み重ね!)を知ること、
データに頼りすぎずに想像力を持つこと、
そのために表現されたものにふれ、感じ、考えること、
そして、いざというとき自分ひとりで行動できるために・・体力(特に握力!?)をつけること! などなど。

もっと多くの方に聞いてほしかったです。

 

本日も、多くのお客様にご来場いただいております!

お越しくださったみなさま、ありがとうございます!

みなさん展示に見入っていらっしゃいますので、
ぜひ、お時間に余裕をもって、お越しください。

また、入場無料で、12月8日まで開催中ですので
お近くの方は、何度でもいらしてください。

ひとりでも多くの方にごらんいただきたい展示です。

ご来場、お待ちしております!!

 

 

 

いよいよ開催!

11月17日(土)から、
しずおかHEART防災 特別展
「リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史」静岡展& しずおか防災アート展
開催です!

初日は、リアス・アーク美術館の学芸員、
山内宏泰さんを迎えたトークがあります。

そのため、体験コーナーはお休みとなります。
申し訳ありませんが、ご了承ください。

詳細はこちらをごらんください。

みなさまのご来場を心からお待ちしております!

 

「みんな元気になるトイレ」全国一番乗り。 ー富士市 防災危機管理課ー

富士は日本一の山。ナンバー1。1等賞。一番乗り。

やっぱり「一番」は凄い。

ハート防災Jです。富士市に来ると、富士山の存在感が違います。でも今日は田子の浦港からの表富士を撮影に来たわけではなく、富士市が全国で一番乗りした「みんな元気になるトイレ」を取材しにやって来ました。

お話をお聞きしたのは、富士市防災危機管理課の太田さん。防災の仕事に就いて11年、内閣府にも1年間赴任した防災のプロフェッショナルです。

「みんな元気になるトイレ」は、公益社団法人助け合いジャパンが行っている災害派遣トイレプロジェクト。災害時の避難者がトイレで困らないように、全国1,741市区町村が一台づつトイレトレーラーを配備し、被災地に全国から集結して助け合おうという取り組みです。詳しくはこちらをご覧ください。http://corp.tasukeaijapan.jp/toilet/

助け合いジャパン代表の石川純也氏は、9.11テロと「世界がもし100人の村だったら」の仕事をきっかけに、今までの広告プロデュースの仕事からソーシャルグッドプロデューサー(世界のさまざまな社会課題を解決するために、クリエイティブの可能性を追求する)へと転身した方。太田さんが絶賛する「防災かあさん」の著者でもあります。

太田さんと石川さんは、内閣府で仕事をしていた時に交流が深まり、プロジェクトの立ち上げ段階から相談を受け、今回の話に至ったそうです。日本一の富士山の麓で、トイレットペーパー生産日本一の富士市がやらずにどこがやる、ということで市長に掛け合い、全国で一番乗り。初めてのことで苦労も多かったそうですが、何よりも道を開くことで他の自治体が続きやすくなったのが嬉しいとのことでした。熱い防災マンです。行動によってのみ状況は変わる。やっぱり一番乗りは凄い。

愛知県刈谷市に続き3台目も動きだすそうで、今後もっと増えていくといいですね。

実物を見せていただけるということで、市役所から太田さんの運転(太田さんのではなく、市のクルマです)で、富士市防災ヘリポートにやって来ました。

オスプレイも着陸可能では?こんな大きなヘリポート、初めて見ました。倉庫の屋上から撮影。

ヘリポートの向かいが倉庫になっていて、トイレトレーラーはこの中にあるようです。

倉庫内は、水や発電機、毛布その他、防災用の備品がぎっしり。メンテナンスも、防災危機管理課の大事なお仕事です。

ありました、トイレトレーラー。思ったより大きいです。「いただきへの、はじまり 富士市」は富士市のブランドメッセージ。込めた想いはこちらを http://fujicitybw.jp/about.html

全国1,741市区町村全配置の頂上へ、ここからスタート。初めの一歩を富士市が踏み出しました。

トレーラーの後ろには、支援した方のお名前。「みんな元気になるトイレ」の資金は、主にクラウドファンディングで集めたものです。目標資金は1000万円。ふるさと納税を活用し、オールインと言って目標に達成しなくても成立するスタイル。目標に行くかどうかも見えない中で試行錯誤しながら、2か月締切ギリギリ最後の最後での目標達成だったそうです。その後も、市に直接寄付される方もいて寄付金総額は1248万円。実際に掛かった費用は、購入費や必要経費含め約1500万円、一自治体の予算では導入が難しい金額。でも太田さん曰く

「トイレトレーラ1台に1500万円は掛けられないし、1台でどうにかなるものでもありません。でも3台集まれば1台500万円です。富士市で必要になった時に、全国から100台集まれば1台15万円。」

それは無理だよ、ではなく、知恵を絞って助け合えばできることがある。教育上の指針にもいいですよね。

実際に見せてもらいました。

夜でも階段が見やすいように灯りがついてます。

とにかく、広くてきれい。まだ使用していないということもありますが、狭くて臭くて汚いという仮説トイレのイメージでは全くありません。

これは海外によくあるウォシュレットではなく、清掃用のシャワーです。水圧もけっこうありました。清潔であることがうれしいです。

鏡や手洗いスペースも。ちょっとした化粧直しもできます。

広さを伝えるために、太田さんに協力いただきました。大人4人くらいまで入れる充分なスペースで、お子様連れももちろん大丈夫。仮説トイレというよりも、ちょっとした化粧室です。

トレーラーの中には同じ仕様のトイレが4台ついています。

屋上にはソーラーパネル。太陽光充電機能や外部電力との接続で、数か月におよぶ避難生活でも長く使うことができます。

出動するときは、クルマで牽引。これからは、イベントなどで活躍しながら、有事の際に備えます。

「今までの被災地の交通事情などを考えると、実際に各自治体からトレーラーが集まるには1週間近くかかります。トレーラーは災害時トイレ対策のほんの一部。大事なことは、普段から行うトイレ対策の啓発です。」とは太田さん。

災害派遣トイレネットワークプロジェクト「みんな元気になるトイレ」の詳細は、富士市のホームページにて。動画もあります。

http://www.city.fuji.shizuoka.jp/safety/c0101/rn2ola0000015oo1.html

ハードも大事だけど、やっぱり一番重要なのはソフトです。いざという時に、行動に移すことができるかどうか。それが生死を分ける。そこに必要なのは知識であり、心構えであり、助け合いの仕組み。取材を重ねれば重ねるほどに痛感します。

ということで、富士市で行う防災セミナーの紹介です。

参加は無料で、災害図上訓練DIGのセミナーもあります。

防災は、普段の生活からはまだまだ遠い存在。でも自然災害は必ず起こります。その時に、正しい知識を持っているかいないか、最低限の備えができているかどうか。それを自分事として捉えられるかどうか。防災先進県の静岡が、いつ来るかもしれぬ南海トラフ地震に向けて取り組むべき重要な課題だと思います。

そこに防災アートがどう機能するのか。「みんな元気になるトイレ」と同じように、当プロジェクト「ハート防災」が一歩を踏み出したことには大きな意義があると思います。まだまだ答えは見えませんが、目指すプロセスが大事ですよね。

防災マン太田さんの熱いハートに影響されました。

【レポート】キックオフイベント第2弾 まちめぐり◆函南~三島

地球の営みから生じる 美と畏れを感じる。

ハート防災Jです。3月3日(土)、ハート防災キックオフイベントの第2弾「まちめぐり◆函南~三島編」に参加してきました。

当日は天気に恵まれ、三島市民文化会館を13時過ぎに出発。バスの中では、「三島は富士山の溶岩がつくった街」「三嶋大社はその土砂の上に立っていて、石垣は富士山の石でつくられている」「2900年前に富士山で大きな崖崩れが御殿場を埋めた」など、面白い話が聞けました。話をしてくれた案内人のおふたりは、

静岡大学教育学部教授で、火山学、地震・火山防災などを専門とする小山さん

小山さんの教え子で、火山の調査から防災マップにも従事し、現在は伊豆半島ジオパーク推進協議会 専任研究員の鈴木さん。

お二人の詳しいプロフィールはこちらをご覧ください。

その後も「三島は坂のまちで、沼津よりも30m位高いところにある」「田方平野は昔は入り江で、掘ればしじみがでてくる。地盤がゆるい土地で被害が大きく、火山の恵みで野菜の産地になった」など、歴史的な視点で見ると、なにげない起伏も地球が生きている証拠だということ。うーん、面白いです。

そんな話を聞いている間に、最初の目的地「丹那断層公園」に到着しました。

丹那断層は、1kmもの断層のズレが世界で初めて実証された有名な活断層。川が食い違っていることが地図上でわかります。ジオパーク説明版の下にある、伊豆半島ができる60万年前の図を見ていると、人間はなんてちっぽけな存在なんだ、と思えてきます。

丹那断層一帯の模型を見ながら小山先生が説明してくれました。屋外施設なので、いつでもだれでも見ることができます。

1930年の北伊豆地震によって起きた断層のズレを見ることができました。

写真だけだと分かりにくいので説明版も。丸い塵捨場と水路がずれているのが見えます。場所によっては2mの横ずれが発生し、当時工事中の丹那トンネルを直撃。当時の様子は、吉村昭さんの小説「闇を裂く道」でもよく分かるそうです。小山先生おすすめの1冊。

観察室では、地下の断面図を見ることができます。ちょっと分かりづらいですが、地震の歴史をこういう形で残して公開するということ自体に価値があるということです。

酪農王国オラッチェにバスを停めて、丹那盆地の田園地帯から山側を見学。鈴木さんが、数十万年かけて上下にずれた断層地形の説明をしてくれました。普段は気にすることのない山の尾根にも歴史があります。

オラッチェにて休憩タイム。小山先生絶賛のソフトクリームには行列ができていました。美味しそうです。

伊豆半島ジオパークの案内板がありました。

伊豆半島は、かつて南洋の火山島や海底火山の集まりだったものが、フィリピン海プレートと一緒に北上し、本州に衝突してできたものです。「伊豆半島ジオパーク」は、現在も続く火山活動や地殻変動がもたらす自然の恵み、温泉や湧水、美しい景色や文化などを含め、各スポットを「南から来た火山の贈り物」をテーマに、伊豆半島をまるごとミュージアムとして紹介しています。

詳しくはホームページをhttp://izugeopark.org/

丹那盆地から北上し、次に向かった先は、田代盆地の火雷神社。北伊豆地震の際に横ずれした跡をみることができます。

上から見ると、階段と鳥居がずれているのがわかります。

崩れた鳥居も、そのままの状態で保存されていました。災害を語り継ぐために、地域の人がそのままの状態で残しています。北伊豆地震では死者・行方不明者272人という大きな被害がありました。「なぜ壊れたままなの?」と考えさせることが、事実を風化させない役割を果たすのでしょう。

函南から三島に戻り、三島駅前の浅間神社へ。

遠い昔、富士山噴火があった時に流れ出た溶岩が、ここ浅間神社で止まったことから、別名「岩止め浅間」とも言われています。神様が足で止めた跡が残っているという言い伝えも。

歩いてすぐの所に白滝公園があります。富士山から流れ出た溶岩が三島市北部の台地を作り、亀裂やすき間の多い溶岩は、地下水の通り道となって湧水を生んでいます。白滝公園は、三嶋の一大湧水地で、溶岩から溢れ出る様が滝のようだったのが名前の由来だそうです。

足下には、溶岩がところどころにあります。何万年、何十万年の歴史の中で形作られてきた土地の上に暮らしているんだなと実感します。

防災の話をしていると、地震、津波、噴火など自然災害に目が行きがちですが、自然がもたらす恩恵を忘れてはいけません。自然に対する敬意を失わずに、人間が選択肢を間違えないためには、自分が住んでいる土地を知ること、語り継ぐことが大切です。「地球の営みから生じる美と畏れ。」を学ぶツアーでした。

 

 

 

命山という名の津波避難所 ー清水区三保【三保命山(いのちやま)】ー

「命山(いのちやま)」とは

台風や津波で地域が浸水したときに、住民が避難するためにつくられた、人工高台の通称。静岡県袋井(ふくろい)市湊(みなと)地区の遠州灘(えんしゅうなだ)から約1キロメートル内陸には、江戸時代の1680年(延宝8)に起きた津波の被害を教訓としてつくられた二つの人工高台、中新田命山(高さ5メートル)と大野命山(高さ3.7メートル)が残っている。ー「コトバンク」よりー

ハート防災Jです。いきなり命山の説明から入りましたが、みなさん「平成の命山」をご存知ですか?袋井市が、先人の教えに習って、南海トラフの最大津波高10mを想定して造った、約1300人が避難できる人工の高台の通称です。

そして、静岡県中部地区初の命山が三保にあると聞き行ってきました。

小高い公園といった様相で、津波避難所というお堅いイメージは感じません。道路からの高さは7mで頂上の避難場所は海抜8.7m。ここの土は、由比の地すべり対策用に進めた排水トンネルで掘り出した土を使用しているとのこと。由比と三保が繋がってます。

高台の両側にスロープがあります。お年寄りや子ども、車いすも大丈夫。

登ってみると、「おっ、広い」。面積は400㎡で、収容人数は800人。天気が良ければ、富士山が綺麗に見えそうです。”富士山の見える丘公園”と言っていいかもしれませんね。

命山は、避難タワーに比べて維持に掛かる費用が少なく耐用年数がないというのが特徴。それでいて、有事以外でも地域で利用できるわけだから、これはいいです。

柵沿いの花に春を感じます。ベンチは座る部分が蓋になっていて、鍵が掛かっていましたが、中には避難時に必要なものが格納されているのでしょう。最近見かける機会の多い、匠の知恵ですね。

健康快動なる足つぼに効く施設もありました。近所にあったら散歩がてら来たいです。

土地は三井・デュポンフロロケミカル(株)が静岡市に提供し、平成28年3月に完成。三井・デュポンさん、さすが。素晴らしい。企業の地域貢献がもっともっと増えるといいのに。同社は命山のすぐ近くにあります。

ここは津波避難所です。看板がありました。その中に

「みんなで助け合い!」という言葉。子どもがおばあちゃんの手を引いています。

実は、命山に辿り着くまで三保に到着してから1時間を要してしまいました。HPで見た住所(三保760)通りに走っても行きつかないんです。近くの店で、写真を見せながら聞いても、「あるのは聞いたことがあるけど、どこにあるかは?」。「たぶんあそこかな」と教えてもらった先は、全く違う場所。静岡市の「危機管理総室 危機管理課 防災施設係」に電話して聞いて、近くまで来ているがわからず、最後に三井デュポンの社員に聞いて、何とか辿り着きました。後から気がついたのですが、グーグルマップを良く見ると、三保命山の文字が。三保命山で検索したら一発で出ました。

行ってみたい方はグーグルマップで。辿り着くまでの道が少し細くて不安になりますが、クルマで行けます。「三保命山」で検索。

収容人数が800人ですから近所の方が知っていればいいんだと思います。でも歩いて10分程度のところにいる人も知らないのはショックでした。こんなにいい施設なのに。

そんなことがあって、避難所の看板のように、子ども達がお年寄りの手を引いてここまで案内してくれればいいな、と思ったのです。

迷ったおかげ?ではないですが、命山に行きつくまでに多くの避難タワーに遭遇しました。

三保760の住所で辿り着いたのがここ。用地は東海溶材(株)が提供。鍵が掛かっていて登れませんでしたが、地震時は自動で開錠されるようです。

遊歩道の先で発見した避難タワー。

三保には全部で6基の避難タワー(命山含む)があります。ふれあい広場というのが気になったので行ってみました。

国鉄(今のJR)清水港線の終着駅「三保駅」の跡地につくった公園で、工場夜景が見える避難タワーとしても有名。当時のディーゼル機関車も見る事ができます。

三保地区の津波避難ビルの案内がありました。

三保地区は車で走っていて感じましたが、高い建物が少ないんです。だからこそ、避難タワーや避難先の情報共有が命を左右すると思われます。海抜1m~2mのところで生活しているわけですから。

そして気になったのが、津波が平日の日中に発生した時、お年寄りは自力で避難所までいけるのだろうか、ということ。土日や夕方以降なら近くに若い人もいるでしょう。でも、若い人たちが仕事や学校に出かけている時間だったら・・・。

ハードも大事だけど、「みんなで助け合い!」の仕組み作りはもっと大事かも。そして、避難所に関する正しい情報、正しいルートを地域住民が知っていることの重要性。

命山のような、自然と一体化した避難所が増えることを祈りつつ、避難所の有効利用を介して、地域住民のつながり、助け合いの文化が育まれるといいな、と感じる取材でした。

 

ウワサの「そなエリア東京」に行ってきました!

こんにちは。HEART防災、Sです。
先日ついに、うわさの「そなエリア東京」に行ってきました!!

「そなエリア東京」は、国の災害応急対策の拠点として整備された「東京臨海広域防災公園」内にある、防災体験学習施設です。

1階には、津波の高さや速さが体感できるコーナーや、防災グッズのショップがあります。

2階は、学習施設。さまざまな啓発展示がめじろおし!
いざというときに生き抜くヒント、防災グッズ、防災ゲーム…etc.

このイラストやデザインはたぶん、最近「防災のデザイン」に欠かせない存在となっている、寄藤文平さんですね。
同じ展示でもデザインや構成の工夫で「見る気にさせる」。
これもHEART防災が考えるべきポイントのひとつです。

アニメ「東京マグニチュード8.0」のアレンジ版も会場内のモニターで見ることができました。機会があれば、これ上映したいなぁ。

上からはオペレーションルームが覗けましたよ。
映画「シン・ゴジラ」のシーンが回想されます!

静岡県庁にも焼津の防災拠点にも、こういう設備がありますが、やはり規模が違いますね。

そして、何と言ってもこの施設のウリである、防災体験「東京直下72h TOUR」!
(以下、ネタバレ注意!)

予約時間に受け付けをし、タブレットを借りて首からぶら下げます。
体験人数に制限があり、時間を区切っての入場となるので、当然係員さんが案内してくれるんだろうと思いきや・・・ほぼ操作の説明のみで、いきなりひとりでエレベーターに乗せられました!
映画館のあるショッピングセンターのエレベーター内で地震に遭う想定です。

ドアが閉まって、ちょっと緊張!!

無事エレベーターのドアが開き、裏ルートを通って、非常口のサインを頼りに、まずは建物から脱出を試みます。
SCのバックヤードっぽい演出もされています。

脱出した先には、被災したまちが再現されていました。
細部までよくできていてリアルです。
昔よく行ったナンジャタウンとかラーメン博物館みたいな。

まちのモニターでは、ニュースが被災状況や余震の危険性を伝え、緊急地震速報のあのチャイム音が断続的に鳴っています。

あ、向こうで火事が・・・

まちの中では、いくつかのポイントに誘導され、そこで出されるクイズに、タブレット上で答えていきます。

ポイントは複数あるのに全部をまわるわけではないので、スタッフさんに聞いてみると、どのポイントでクイズが出るかは端末によって異なるそうです。
一緒に体験する友達とも違うし、次に行ったときにまた違う、という楽しみもありますね。

無事、避難所の中央公園にたどり着きますが、そこではしばしの避難生活が。

そこには様々な課題があります。
私たち未被災地の者は、生き延びることは考えるけれど、その先のことまではなかなか考えられません。
でも、本当に想像力が試されるのはきっと、被災後の暮らしにおいてなのでしょう。

タブレットを返却するときに、クイズの点数がわかります。
ここは防災先進県に暮らすS!当然、満点でしたー!

最後にショップで「東京防災」を1冊購入。これは本当にいい取組みですよね。
がんばろう、静岡の防災!

この公園は、首都圏で大きな災害が起きたときにベースキャンプになるそうで、ヘリポート機能もあります。広場の向かいには病院がありました。
ふだんは都民の憩いの場として開放されています。この日は雪が残っていましたが、キャッチボールなどをしている人たちもいました。

そなエリア東京」。
東京なので「首都直下地震」がテーマではありますが、この国に住む誰もが、いちどは行ったほうがいいトコロだと思います。
熱心に見ていたので研修の視察か何かだと思われたようで、スタッフさんに声をかけられました。全国から問い合わせや予約がいっぱいなので、ご予約はお早めに、とのこと。
少人数で行く場合は、ふらりと行っても、先に体験時間を予約しておけば問題なく入れそうです。
おススメ!!

 

ありのままを語り継ぐ野島断層―淡路市【北淡震災記念公園】

ハート防災Jです。神戸から明石海峡大橋を渡り、淡路島にやって来ました。

橋の向こうに見える神戸の街。23年前の1月17日に同じ神戸が炎に包まれていたことを、ここで記念撮影する人たちはどれだけ意識するのだろう?そんなことを考えてしまいました。もうすぐ四半世紀、長いような短いような。前を向いて歩くことは大切ですが、時には振り返ることも必要ですね。

明石海峡から車で20分。向かった先は、北淡震災記念公園。震災の時に表れた断層による地面のズレを当時のままに保存した野島断層は、国の天然記念物に指定されています。

まずは野島断層保存館へ。入っていきなり見えてくるのは、写真から飛び出した崩れ落ちる高架とトラック。凄い迫力です。コンクリートからむき出た鉄筋は、どれだけ頑丈に作っても大自然の前では100%安全なことはない、と言っているようです。それを限りなく100%に近づけるのが人間の知恵と努力ですが、驕りは禁物ですね。

入場料は大人700円。年中無休で、開館時間は9:00~17:00。

阪神・淡路と東日本、地元新聞社が二つの被災地を記録した200枚の写真が展示されていました。20年の間に2度も、同じ日本にこれだけの被害をもたらす地震が起こったことは信じ難いです。地震大国であり、108の活火山(世界の7%)を持つ日本。南海トラフ巨大地震、富士山噴火、いつ起こっても不思議ではないですよね。この先20年の間に、ここに静岡の写真が載らないことを祈ります。

立体地形で見る南海トラフ。脅威です。南海トラフの存在を知らない人が大勢いることの方がもっと怖いですが・・・。(正直に言うと、自分も名前を聞いたことがある程度でした。)

野島断層の説明。阪神・淡路大震災は活断層である野島断層が動いたことにより起こったもので、淡路島北西部に長さ10Kmに渡って地面のズレを生じさせたそうです。その内の185mを、ここ野島断層保存館で保存しています。

普段気にすることのない地面の下の断層。そして、生きているということ。地球から見ればちょっとしたズレかもしれないが、人間社会に与える影響は計り知れない。それが自然の恐ろしさだ、と語っているようです。

野島断層の地表のズレを復元した地形模型。ボタンを押すと、地表面の揺れと断層運動が再現され、かつての映画「日本沈没」を思い起こします。総理大臣役は丹波哲郎でしたね。

南海トラフもそうですが、脅威は目に見えないところに潜んでいて、計り知れないパワーを持っている。そして忘れたころに動き出す。見えないから忘れる。だから見せる、それが野島断層です。

北淡震災記念公園には野島断層保存館以外にも、大震災を語り継ぐコーナーが色々あります。神戸の壁もそのひとつ。

神戸の壁は、第二次世界大戦の神戸大空襲に耐え、阪神・淡路大震災では地震と火災に耐えた、神戸市長田区の防火壁を移設したものです。災害対応SSって何じゃ?で紹介したガソリンスタンドの防火壁を思い出しました。延焼を食い止める壁は、地域にとって頼もしい存在です。

地震断層が横切る民家を保存したメモリアルハウスには、震災当時の建物や地震直後の台所を再現した様子が展示されています。

時計は、地震が起きた朝5時46分で止まっていました。暗い中でこの状況です。怪我をすれば逃げ遅れる危険性も高まりますから、家具の転倒防止策は欠かせません。

震災を体験した小学生の感想。ちょっと色褪せています。

おばあちゃんは「千年に一回の大地震だ」と言った。お母さんは「自然が怒っている」と言いました。もうあんな地震はいやです。

いやでも来るのが自然災害。そのための防災・減災。23年後の今、この子たちも30歳を超え、親になっているかもしれません。防災・減災意識が薄れていないことを祈ります。

他にも、震災体験館や地震・津波のメカニズムを解説するコーナーなど、将来起こりうる大地震について色々と考えさせられる北淡震災記念公園。関西方面に行く機会があれば、是非立ち寄って見てください。

詳しくは公式ホームページ

外国から来たであろう女性がひとり、熱心にビデオを撮りながら回っていました。何語かもわからず話しかけられませんでした。

震災を語り継ぐ貴重な施設です。

生きていくために。震災から学ぶべきもの ―神戸市【人と防災未来センター】―

ハート防災Jです。人と防災未来センターに来ました。イザ!美かえる大キャラバン!の会場にもなっています。取材同行のYさんは2回目ですが、私はもちろん初めて。まずは建物の景観に驚きました。立方体が時間とともに成長拡大していく塩の結晶体をイメージして造られたそうです。

ん?何やら垂れ幕?と思いきや、南海トラフの巨大地震で想定される津波の最大波高(高知県黒潮町)を示しています。その高さ34.4m。3mを超えたらビッグウェーブで波乗りも躊躇するところを、その10倍って。こんなの来たらどうしようもないでしょ!

人と防災未来センターは、国の支援を受けて2002年に兵庫県が設置、阪神・淡路大震災の経験を語り継ぎ、未来に生かすことで、災害文化の形成、地域防災力の向上、防災政策の開発支援を図り、安全・安心な市民協働・減災社会の実現に貢献することをミッションとしています。ホームページはこちら

入場料は大人1人600円。JAF会員割引で450円に。ラッキー^^。時間も遅かったので待ち時間なしで入れました。ロビーに貼ってあるポスターを見ていると・・・

手前上の「つなみがくるぞ!高台へいそごう!」にビックリ。なんと小学一年生の作品。絵のクオリティ凄いです。そしてこの単純なコピーが後になってジワリと来るのですが、それはまた後半で。

エレベーターに乗り、まずは4階の震災追体験フロアへ。1.17シアター「5:46の衝撃」では大型映像と音で、地震破壊のすさまじさを体感できます。震災直後のまち並みをリアルに再現したジオラマ模型を通り、大震災ホールへ。復興に至るまでのまちと人をドラマで紹介した「このまちと生きる」を上映しています。4Fフロアは写真撮影NGなので写真をお見せできず残念ですが、映像ダイジェストはこちらから見れます。

23年前に本当に現実に起こったことなのか?と思う衝撃映像です。具合の悪くなる人もいるそうなので、ご注意ください。自然災害の恐ろしさと同時に、「このまちと生きる」からは、復興に向かう人間の強さを感じる事ができます。

3階は震災の記憶フロア。震災関係資料を提供者の体験談と一緒に展示しています。

大型パネルで見る崩れた高架道路。どんな頑丈な人工物も自然の前では模型のごとく。

写真右下にあるのは、折れたゴルフクラブ。どうすれば、こんなにポッキリ。

「女性一人この家屋の下にいます」助けたいけどどうすることもできない、でも生きて欲しい。生きていくために、誰もが必死。未被災者で戦争体験もない私には想像することすらできません。でも現実に起こったことなんですよね。

全国から送られた支援物資の紹介やボランティアの様子も紹介しています。被災状況をいっぱい見た後なので、着ぐるみと遊ぶ子ども達の笑顔に癒されました。そして、からわりくんって何だろうって。ネットで調べたけど出てきませんでした。(笑)

姪御さんの子から送られた手紙に励まされた人も。やっぱり大事なのは人と人の繋がりなんですよね。

2階は防災・減災体験フロア。災害や防災の方法を閲覧できる災害情報ステーションの他、防災学習のボードゲームや減災グッズなど、色々な角度から紹介しています。

ビスコ、懐かしいですね~。サクマ式ドロップ、「火垂るの墓」の節子を思い出すと、今でも涙が出てきます。(泣)

家具の固定、転倒防止策。阪神淡路大震災の地震による直接死5500人の内4400人が家屋の倒壊による圧死、窒息死で、その9割にあたる3960人が地震後15分内の即死。事前の備えが生死を分けるということです。

耐震補強、耐震構造、地震に強い建物に関する展示です。住宅関連で働く人必見のコーナー。

西館から東館へ移動し多目的ルームに向かうと、南海トラフ巨大地震に関する展示がありました。静岡県民には特に興味深い内容です。

太平洋沿岸に起こる津波の想定波高を表わしたグラフ。静岡にも最大波高10m~20mの津波が来ることが予想されます。

興味深かったのは、防災・減災対策の効果。最大32万人と想定される死者数が、防災・減災対策によってどこまで減少できるかという資料。一番の恐怖は津波ですが、全員が発災後すぐに避難開始して既存の津波避難ビルを活用すれば、23万人の津波想定被害死者の8割、約18万4000人の命が助かるというもの。

ここで思い出したのが、入り口にあった小学1年生のポスター「つなみがくるぞ!高台へいそごう!」。防波堤も大事かもしれないが、自分の命は自分で守る、それしかない。そして、声を掛けあう人と人の繋がりの大切さ。当たり前のことだけど、当たり前だからこそ大事なことですよね。

生きていくために・・・。人と防災未来センターから学んだことです。

自然災害に私たちはどう備えるのか?各地域での取り組みが紹介されていました。これも、生きていくために・・・。

静岡県が開発した避難所運営ゲームHUGも。HUGの内容は静岡県のホームページにて。

ぼうさい甲子園。こんなのもあるんですね。ホームページを見たら、昨年の大会で静岡大学教育学部の藤井基貴先生(※)のゼミがぼうさい大賞を受賞していました。でも、参加しているのは他県の方が多かったです。きっと知らない人がほとんどですよね。

(※ライターS補足~:藤井先生は学生とともに全国的に活躍する防災教育の第一人者。2月25日に開催されるこのプロジェクトのキックオフ・イベントにも参加してくださる予定です!)

日常からまだまだ遠いところにある防災。人は自然に弱い、でも生きていくための知恵や絆がある。まずは、できることをやること。人と防災未来センターと小学1年生のポスターから教わりました。防災素人の私も家具の転倒防止策やってます。あとは逃げ足を磨きます。(笑)

神戸に行く機会があったら是非寄ってみてください。

人と防災未来センター